エチオピアの旧称。エチオピアの人々のことを、古来アラビア人は「混血」の意味でアビシニアと呼んでいたそうです。
南アラビアからの移住民とアフリカ原住民、アフリカ遊牧民が混血を繰り返して、26の種族と100以上の言語に分かれていると伝えられています。
エチオピアはアフリカ大陸最古の独立国で、現存する世界最古の独立国の一つと言われていて、人口1億2000万人(2016年7月推定)で、サハラ以南のアフリカでは、ナイジェリアに次いで二番目に人口の多い国だとWikipedia/エチオピアに記載されています。
エチオピアのアビシニア高原は、2000~3000mの高原地帯で、コーヒーの生産に適しています。アビシニア西南部のカファ州周辺が、アラビカコーヒー発祥の地だと考えられています。
ちなみに、コーヒーノキのふるさとであるアフリカ大陸は、我々人類のふるさとでもあると言われています。
エチオピアは、オロモ人、アムハラ人、ティグレ人のほか80以上もの民族から構成されている多民族国家です。その多民族国家エチオピアの多数派民族オロモ人は、5000年以上前から戦争で遠征するときの携帯食にコーヒーを利用していたという話が、旦部幸博さんの著作「珈琲の世界史/講談社現代新書」に載っています。
煎って潰したコーヒー豆を動物の脂(バター)と混ぜて大きな団子に丸めたもので、カフェインによる興奮とバターの高いカロリーで気分がハイになって戦闘の時に大活躍したとか、あるいは人類初のコーヒーはエナジードリンクならぬこの「エナジーボール」だったなどと言われます。
現在も西南部との州境付近に暮らすオロモ人の一部に「ブナ・カラー」という名前で、この風習が残っています。
コーヒーのふるさとアビシニア(エチオピア)独自のコーヒーの飲み方として知られているのが、コーヒーセレモニーと呼ばれるコーヒーの飲み方です。
エチオピアやエリトリアで来客をもてなすときなどに行う、日本の茶道に似た雰囲気の儀式だと言われています。
以下、、旦部幸博さんの著作「珈琲の世界史/講談社現代新書」からの引用です。
部屋に花や青草を敷いて香を焚き、七輪にかけた鉄鍋の上で生豆を、ときおり杓でかき混ぜながら深煎りにします。煎りたての豆を客に回してその香りを楽しんでもらった後、木の臼と杵で豆を細かく潰し、ジェベナ(ジャバナ)と呼ばれるポットで煮出して、カップに注ぎ振る舞います・・・