980年~1037年。アラビア医学の権威で哲学者。イブン・スィーナ(orイブン・シーナ)はバグダットのペルシア人医師で、アヴィセンナはラテン語名。
飲料としてのコーヒーの起源はアラビア古典医学だと、ユーカースの著作「オールアバウトコーヒー」に記載されています。
アヴィセンナも、「コーヒーは、身体や皮膚を清めて、その下にある湿りを取り去って・・・・・」と、コーヒーの薬理作用に関する記述を残しています。
コーヒーをブン若しくはブンクムと呼んでいたアヴィセンナは、その薬効およびその活用方法について、次のようにも述べています。
それを選別する場合、レモン色で軽く、芳香を有するものがよい。白、あるいは重いものには価値が無い。その第一の特性は、「熱・乾」である。ただ、「冷」であるという者もいる。それは体の各部を強健にし、肌をきれいにし、肌の内側の湿気を乾かし、全身に素晴らしい香りを漂わせる。
上記は、ウィリアム・H・ユーカーズの「オールアバウトコーヒー」を、山内秀文さんが翻訳した『ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて』よりの引用です。
ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて (角川ソフィア文庫)
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Wikipedia/イブン・スィーナは、彼のことを以下のように紹介しています。
当時の世界の大学者であると同時に、イスラーム世界が生み出した最高の知識人と評価され、ヨーロッパの医学、哲学に多大な影響を与えた。
後世の人間は彼を「第二のアリトテレス」、「アリストテレスと新プラトン主義を結びつけた人間」と見なし、アリストテレス哲学と新プラトン主義を結合させたことでヨーロッパ世界に広く影響を及ぼした。
Wikipedia/イブン・スィーナより引用
アヴィセンナはウズベキスタン生まれで、父親はサーマン朝の徴税官だったと伝えられています。
イスラム世界を代表する知識人であるアヴィセンナは、哲学者・医者・科学者ですが、その生涯は、幸福と苦難が交差する波乱万丈のものだったと伝えられています。