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エカワ珈琲店版、珈琲入門【11】焙煎コーヒー豆の保存と粉砕

焙煎したコーヒー豆の新鮮な香りと味を保つためには、適切な保管が必要となります。

涼しくて乾燥していて、それにプラスして日光の当たらない暗い場所にて、気密性の高い密閉容器に入れて保管するのが理想的だと思っています。

焙煎したコーヒー豆の風味・香味を劣化させる原因ですが、1番に空気、2番目が湿度、3番目が熱、そして、4番目が光という順番になっていると理解しています。

コーヒー豆のグラインド(粉砕)は、コーヒーの淹れ方に影響を与える最初のステップだと言われています。

コーヒー豆の挽き具合として、Coarse(コース/粗挽き)、Medium(ミディアム/中挽き)、Fine(ファイン/細挽き)、Extra fine(エキストラファイン/極細挽き)、Turkish(ターキッシュ/パウダー状態)の5段階が知られています。

しかし、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)のコーヒー豆自家焙煎店にとって重要なのは、「粗挽き」、「中挽き」、「細挽き」の三段階です。

 

【目次】

 

【1】焙煎コーヒー豆の保存

焙煎コーヒー豆の保存状態を左右するのは、温度・湿度・酸素・光の四つの要素です。

それらを、できるだけ低く抑える方法で保存するのが、最良の保存方法だと考えられています。

焙煎コーヒー豆の最適な保存方法は、冷暗所での常温保存だと思います。

 

【2】パッケージング(袋詰め)

自家焙煎コーヒー豆の賞味期限は長くても焙煎後1か月半くらいに設定するわけですから、紙製やポリエチレン製の袋に入れて販売するのが最適だと考えます。

しかし、賞味期限が長い(賞味期限が焙煎後1年くらい)、大量生産・大量消費向けのレギュラーコーヒー豆については、長期間保存することを前提とした包装(例えば、真空パック包装)が必要となります。

 

【3】焙煎コーヒー豆とシェルフライフ

焙煎したコーヒー豆は、酸素や熱や光と接触して劣化して行くので、それらを遮断して保存に最適な環境を維持できれば、焙煎コーヒー豆のシェルフライフ(貯蔵寿命)を延長させることができると考えられいます。

 

(※)年老いた珈琲豆焙煎屋は、キンドルで電子書籍をセルフ出版しています。下のリンクは、その中の1冊のキンドルストアー販売ページへのリンクです。

 

【4】焙煎コーヒー豆の熟成(エイジング)と劣化(ステーリング)

食品の発酵と腐敗は紙一重というように、焙煎コーヒー豆の熟成(エイジング/Aging)と劣化(ステーリング/Staling)も紙一重だと思っています。

焙煎コーヒー豆の熟成(エイジング/Aging)は食品の発酵に、焙煎コーヒー豆の劣化(ステーリング/Staling)は食品の腐敗に良く似た現象だと思っています。

 

【5】コーヒーミル

コーヒーミルには、手動式と電動式があります。

手動式ミルは、趣味的・装飾品的要素が強くて、何人分かのコーヒー豆を挽く場合、手間がかかって不向きです。

電動式ミルには、臼歯で砕く方式のグラインドミルと、カッテイング方式でコーヒー豆をカットして粉砕するカッティングミルがあります。

 

【6】微粉とチャフ

コーヒー豆の粉砕時に強い衝撃を加えるので、コーヒー豆に歪みが生じて微粉が発生します。

コーヒー豆中央部のシルバースキン(焙煎時の燃え残り)と、粉砕時に発生する微粉が混じりあった細粉をチャフといいます。

このチャフが多いと、コーヒー液を濁らせる原因となります。

 

(※)年老いた珈琲豆焙煎屋は、キンドルで電子書籍をセルフ出版しています。下のリンクは、その中の1冊のキンドルストアー販売ページへのリンクです。

本の内容は、コーヒー豆焙煎の体験報告です。

 

【7】コーヒー豆の挽き方

美味しいコーヒーを淹れるためには、焙煎コーヒー豆の味と香りを最大限に引き出す挽き方が必要になります。

コーヒー豆の挽き方は、コーヒーの抽出方法によって違ってきます。

エスプレッソの場合は細挽き、ドリップ式やサイフォンの場合は中挽き、パーコレーターの場合は粗挽きにします。

 

【8】挽き具合と抽出方法の関係

焙煎コーヒー豆の挽き具合で重要なのは、Coarse(コース/粗挽き)、Medium(ミディアム/中挽き)、Fine(ファイン/細挽き)の3段階だと考えています。

 

Coarse(コース/粗挽き)
コーヒーの1粒1粒が、非常にはっきりと認識できます。

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Medium(ミディアム/中挽き)
砂のような、あるいは、粗い砂のような粒。

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Fine(ファイン/細挽き)
顆粒の砂糖やテーブル塩よりも少しだけ細かい粒。なめらかな感触があります。

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挽き方と抽出方法の関係を、大雑把なのですが、表にしてみました。

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【注意1】グラニュー糖くらいか、それよりも少し大きい粒子が数多くあれば『中挽き』、グラニュー糖よりも少し細かい粒子が多ければ『細挽き』、グラニュー糖の倍くらいが『粗挽き』です。 

 

【注意2】抽出方法が違えば、コーヒーの粉と水との接触時間も違ってきます。

接触時間が長いときは粗めに、短いときは細かく挽くと、抽出効率を一定のレベルに保つことができます。

 

【9】粉砕とコーヒー豆

コーヒー豆を細かく粉砕すると、表面積が大きくなるので、湯との接触面積が大きくなりすぎて、必要以上の成分が抽出されてしまって、重たい感じのコーヒーが出来上がります。

反対に、粗挽きにしすぎると、抽出不足で、香りやコクの不十分な水ぽいコーヒーになってしまいます。

 

【10】ミルと微粉

臼歯が高速回転しているコーヒーミルでコーヒー豆を粉砕すると、摩擦熱とコーヒー豆に加えられる衝撃によって、必ず微粉が発生します。

コーヒー豆を粉砕する際に発生する微粉は、コーヒーの香味を大きく損ないます。

コーヒーの抽出では、コーヒーの粉の大きさが、できるだけ揃っているのが理想です。

ということで、微粉の発生が少なくて、粒の大きさが揃うのが理想のコーヒーミルですが、そのタイプのコーヒーミルの価格はものすごく高くなります。

 

この記事の内容を、もう少し膨らませた記事を、「年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ」にエントリーしています。