コーヒー生豆を焙煎して、その焙煎したコーヒー豆を粉砕して、コーヒー粉に含まれている成分を水に溶解(or分散)させて、最終的に、コーヒー粉の残り滓と、成分を溶解している水を分離するのが、コーヒーを淹れるという作業だと考えています。
コーヒーの淹れ方(醸造方法)は経験的に改良が重ねられていて、これまでに様々な抽出器具が考案されてきました。
現在、最も一般的な方法として定着しているのが、ドリップ式、サイフォン、パーコレーター、エスプレッソ、ウォータードリップ、カフェプレスを使用したコーヒーの淹れ方です。
その中で、最も簡単便利で広く普及しているのが、最も合理的に温度・時間調整ができるドリップ式のコーヒーの淹れ方だと思っています。
ドリップ式の淹れ方には、ハンドドリップ、ウォータードリップ、コーヒーマシン、エスプレッソと色々な淹れ方がありますが、その中でもハンドドリップは秀でたコーヒーの淹れ方だと思っています。
ハンドドリップの淹れ方の中には、コーヒーの淹れ方(醸造)の基本的な部分が全て含まれています。
ハンドドリップでのコーヒーの淹れ方をマスターすることで、その他の器具を使ったコーヒーの淹れ方についての理解がスムーズに運ぶはずだと思っています。
昭和の コーヒー研究家の伊藤博さんは、「原料(焙煎コーヒー粉)の状態を間近に見て、状態変化を温度と時間の目で捉えながら、適正抽出に持っていける方法、機械に任せる部分のほとんどない抽出法といえばハンドドリップに落ち着く」と『珈琲を科学する/時事通信社』(1997年初版発行)で語っています。
また、ドリップ式は、焙煎や粉砕などへの対応が柔軟なのですが、それだけに高度な技術が要求されると、農学博士・友田五郎さんの著書『序説珈琲学』(1987年発行)に書いてあります。
【1】ハンド・ドリップ
コーヒー粉に含まれている成分を水(お湯)を使って抽出して、抽出した成分を水(お湯)を使って洗い流す透過法と呼ばれているコーヒーの淹れ方、それがドリップ方式によるコーヒーの淹れ方だと思っています。
ドリップ方式でコーヒーを淹れる方法には、色々な淹れ方の方法があります。
その中で最も簡単で、最も便利で、最も普及している淹れ方が、ネル(布)フィルターやペーパーフィルターを使用するハンドドリップ方式だと思っています。
ネル(布)やペーパー(紙)といった、本当に簡単な道具を使っているので、コーヒー豆の焙煎具合や、焙煎コーヒー豆の粉砕具合(挽き具合)などの状況に応じて柔軟に対応することができて、香味の調整などにも比較的簡単に対応できると思っています。
必要な器具は、注湯ポット(ホウロウかステンレス製で、細口またはケトル)、フィルター(濾紙またはネル)、サーバー(ドリップコーヒーを受ける容器)、メジャースプーン、それに濾紙(ペーパーフィルター)を使う場合はドリッパーが必要になります。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、これらにプラスしてスケールも使っています。
【2】抽出の仕組み
ペーパーフィルターや布フィルターでコーヒーを淹れる時、まず最初に、熱い湯をコーヒーの粉に吸い込ませて、コーヒーの粉を膨らませます。
これが、『蒸らし(ブルーミング)』と呼んでいる操作です。
この『蒸らし(ブルーミング)』と呼んでいる作業によって、一粒一粒のコーヒーの粉に含まれているコーヒー成分を抽出、あるいは抽出しやすくしています。
抽出されたコーヒーの成分は、湯と混じりあって、フィルター内のコーヒーの粉の中、粉と粉の間や粉の周辺部に留まっています。
これを洗い流して、フィルターの外のサーバーやコーヒーカップに追い出す作業が、「蒸らし」以後の注湯作業だと、大雑把に考えています。
注湯操作は、淹れる杯数(抽出量)にもよりますが、数回に分けて行います。
コーヒー成分を含んている抽出液と、その抽出液を洗い流すために使用した湯は、コーヒー粉の層やフィルターでろ過されて、サーバーやコーヒーカップに落ちてきます。
以上が、ハンドドリップ方式(ドリップコーヒー)の抽出の仕組みだと考えています。
【3】蒸らし
アメリカでは『ブルーミング』、日本では『蒸らし』と呼ばれている作業は、焙煎コーヒー豆を粉砕したコーヒー粉に熱い湯を吸い込ませて、一粒一粒のコーヒーの粉を膨らませる作業です。
湯を吸い込んでコーヒーの粉が膨らむことで、コーヒーの成分を簡単に抽出できるようになります。
【4】蒸らしの仕方
蒸らしに必要な湯の量は、フィルター内のコーヒー粉の層が保持できる量です。
フィルターから、ポタポタとしずくのように、少しだけ液が落ちてくる程度の湯の量が最適です。
注がれた湯は、コーヒーの粉と粉の間隙を満たしている空気や粉の内部に存在する二酸化炭素・揮発性香気成分を押し出すので、コーヒーの粉が膨張して泡立ち盛り上がります。(この現象を、アメリカではブルームと呼んでいます。)
【5】蒸らしで注意すること
普通、蒸らし用の湯を注ぎ終わってから、次に湯を注ぐまでの間、少しの時間(10秒~60秒くらい)、そのままの状態で放置しておきます。
そのままにしておく時間の長い・短いで、抽出されるコーヒー成分の量や種類が変わります。
また、蒸らしに使用する湯の温度によっても、抽出されるコーヒー成分の量や種類が変わります。
【6】蒸らしの効用
『蒸らし』によって、粉砕したコーヒー粉内の細胞から、コーヒー成分を抽出しやすくなります。また、抽出の程度を揃えることができます。
抽出物濃度を1~2%低下させますが、香味やコーヒー浸出液の清澄度はよくなります。
それに、コーヒーの粉が均質なろ過床を作るので、注湯した湯がそのまま流出するようなことが少なくなって、均等な抽出が行われます。
【7】蒸らし以後の注湯
大雑把に表現すれば、抽出されてコーヒー粉の内部やコーヒー粉の層内に留まっているコーヒー成分を、お湯で洗い流してフィルターでろ過する作業です。
コーヒー粉層の表面から注ぐ湯は、自然の重力によって、コーヒー粉層の隙間を通って、下に向かってゆっくりと流れます。
そして、コーヒー粉の隙間や、コーヒー粉に付着しているコーヒー抽出成分を、押し出すようにして洗い流します。
コーヒー抽出成分と、それらを洗い流すのに使用した湯は、コーヒー粉の層やフィルター(紙・布)でろ過されて、フィルターの下のサーバーにコーヒー浸出液となって一緒に落ちてきます。
【8】注湯で注意すること
コーヒー粉層の表面から注がれた湯は、自然の重力の力によって、コーヒー粉層の空隙部分をゆっくりと下に向かって流れて行くのが理想です。
コーヒー粉の層内を流れる湯の速度は、一定の時間内に、どれだけの量の湯をコーヒー粉層の表面から注湯するかによって変わってくるのだと思います。
多ければ速くなって、少なければ遅くなります。
【9】抽出時間と抽出成分
『序説珈琲学』によると、抽出時間は、蒸らしを含めて3~5分くらい、湯の温度は、沸騰した湯を少し冷まして、沸騰が収まった直後(95度前後)というのが基本だと書いてあります。
抽出される成分は、湯の組成や温度、抽出される物質の組成、抽出時間によって変わってくるのだと思います。
分子量が少なくて単純な形の成分は速やかに抽出されて、分子量が多くて大きく複雑に枝分かれしている成分は、ゆっくりと抽出されます。
【10】ドリップ抽出の特徴
エカワ珈琲店好みのコーヒー浸出液を得る方法として、ドリップ式が一番適していると考えているのですが、その理由は次のとおりです。
ドリップ式では、90度くらいの温度の湯を使ってコーヒーの成分を抽出するので、数ある抽出方法のうち、コーヒーの成分を抽出する温度が低い方に分類される抽出方式で、コーヒー成分の熱変性や芳香成分の散失が比較的少ない方法だと考えているからです。
★本文
【1】ハンド・ドリップ
【2】抽出の仕組み
ペーパーフィルターや布フィルターでコーヒーを淹れる時、まず最初に、熱い湯をコーヒーの粉に吸い込ませて、コーヒーの粉を膨らませます。
これを、『蒸らし』と呼んでいます。(アメリカでは、ブルーミングと呼んでいます)
この『蒸らし』によって、一粒一粒のコーヒーの粉に含まれている、コーヒー成分を抽出、あるいは抽出しやすくします。
抽出されたコーヒーの成分は、湯と混じりあって、フィルター内のコーヒーの粉の中、粉と粉の間や粉の周辺部に留まっています。
このフィルター内の(コーヒー成分を含んだ)抽出液を洗い流して、フィルターの外のサーバーやコーヒーカップに追い出す作業が、たいへん大雑把な表現ですが、蒸らし以後の注湯作業なのだと考えています。
蒸らし以後の注湯は、普通、3回~5回に分けて行います。
コーヒー粉の周囲や、コーヒー粉とコーヒー粉の隙間などに留まっている(コーヒー成分を含んだ)抽出液を、熱い湯で洗い流します。
また、コーヒーの粉の中に残っている(コーヒー成分を含んだ)抽出液は、熱い湯がコーヒー粉の中に侵入することで、順送りに粉の内部から粉の外部に追い出されます。
コーヒー粉の外部に追い出された(コーヒー成分を含んだ)抽出液は、上から注がれる熱い湯によって洗い流されます。
(コーヒー成分を含んだ)抽出液と、その抽出液を洗い流すために使用した湯は、コーヒー粉の層やフィルターでろ過されて、サーバーやコーヒーカップに落ちてきます。
以上が、ハンドドリップ方式(ドリップコーヒー)の抽出の仕組みだと考えています。
【3】蒸らし
アメリカでは『ブルーミング』、日本では『蒸らし』と呼ばれている作業は、焙煎コーヒー豆を粉砕したコーヒー粉に熱い湯を吸い込ませて、一粒一粒のコーヒーの粉を膨らませる作業です。(コーヒー粉が膨らむ現象を、アメリカではブルームと呼んでいます)
湯を吸い込んでコーヒーの粉が膨らむことで、コーヒーの成分を簡単に抽出できるようになります。
『蒸らし』は、コーヒーの粉を濡らして湿らせればよいわけですから、たくさんの湯を勢いよく注ぐ必要はありません。
コーヒー粉が満遍なく濡れる(湿る)程度の湯を、コーヒー粉層の上にゆっくりと少しずつ注ぎます。
コーヒーの粉を濡らした湯は、コーヒーの粉の内部に浸透していきます。
そして、コーヒーの成分を湯の中に取り込んで(抽出して)いきます。
コーヒーの成分を取り込んだ湯は、一部はコーヒー粉の外に出て、コーヒー粉とコーヒー粉の隙間やコーヒー粉の周囲に付着します。
また、一部はコーヒー粉の中に残ります。
【4】蒸らしの仕方
『蒸らし』は、コーヒーの粉を熱い湯で濡らして、その一粒一粒のコーヒー粉の内部に湯を浸透させる操作なのだと思います。
蒸らしに必要な湯の量は、フィルター内のコーヒー粉の層が保持できる量です。
フィルターから、ポタポタとしずくのように、少しだけ液が落ちてくる程度の湯の量が最適です。
あまりたくさん落ちてくるようだと、コーヒー浸出液が薄くなってしまいます。
粉の量の1.0~1.5倍、コーヒーを淹れるのに使用する湯の10分の1くらいの湯を、『の』の字を描くように、真ん中から外側に向かって、ゆっくりと均等に注ぐのが最適だと言われています。
静かにゆっくりと、湯をコーヒー粉層の上に置くように注ぎます。
コーヒー粉層の(上部)表面の真ん中を押して「くぼみ」をつけておくと、その「くぼみ」を目印に湯を注ぐことができます。
注がれた湯は、コーヒーの粉と粉の間隙を満たしている空気や粉の内部に存在する二酸化炭素・揮発性香気成分を押し出すので、コーヒーの粉が膨張して泡立ち盛り上がります。(この現象を、アメリカではブルームと呼んでいます。)
10秒から20秒(もしくは30秒)くらい湯を注ぐのを休憩して、充分にコーヒーの粉を蒸らしてから、蒸らし以後の注湯を開始します。
ちなみに、煎りたての焙煎コーヒー豆を使う場合は、湯を注ぐのを休憩する時間を長くするべきだとエカワ珈琲店は考えています。
エカワ珈琲店の場合、焙煎後2日~3日以内の焙煎コーヒー豆を使う時には、約1分間くらい湯を注ぐのを休憩しています。
【5】蒸らしで注意すること
コーヒーの粉に湯を吸い込ませて、粉を膨らませて、粉の内部に存在しているコーヒー成分を抽出しやすくする、あるいは抽出する作業が『蒸らし』です。
普通、蒸らし用の湯を注ぎ終わってから、次に湯を注ぐまでの間、少しの時間(10秒~60秒くらい)、そのままの状態で放置しておきます。
そのままにしておく時間の長い・短いで、抽出されるコーヒー成分の量や種類が変わります。
また、蒸らしに使用する湯の温度によっても、抽出されるコーヒー成分の量や種類が変わります。
放置しておく時間が長かったり、湯の温度が高かったりすれば、抽出過剰になる可能性があります。
反対に、放置しておく時間が短かったり、湯の温度が低かったりすれば、抽出不良になる可能性があります。
『序説珈琲学』には、コーヒーの粉を蒸らすことで、コーヒー粉の組織がゆるめられて成分の抽出が容易になって、コーヒーの粉も膨張して粉と粉の間隙を満たし、均質なろ過床が形成されて、その結果、コーヒー成分の溶出が容易かつ均等になると書いてあります。
【6】蒸らしの効用
この項目については、ほぼ100%『序説珈琲学』から引用させて頂きました。
粉砕したコーヒー粉内の細胞には、焙煎によって生成した炭酸ガスや揮発性の香気成分が充満しています。
コーヒー粉の表面には空気が吸着されていて、湯に触れると泡を作るので、湯が粉の中の細胞に侵入するのを邪魔します。
コーヒー豆の表面部分には、ロウ(ワックス)成分が含まれているので、そのロウ部分が粉砕破壊されているとしても、粉砕破壊されて細胞が露出している部分と比べると、湯の侵入が難しくなっています。
ですから、そのままでは抽出の程度が不ぞろいになってしまうので、『蒸らし』を行って、抽出の程度を揃えています。
『蒸らし』をすることによって、抽出物濃度を1~2%低下させますが、香味やコーヒー浸出液の清澄度はよくなります。
また、コーヒーの粉が均質なろ過床を作るので、注湯した湯がそのまま流出するというような、バイパスの発生が少なくなって、均等な抽出が行われます。
【7】蒸らし以後の注湯
大雑把に表現すれば、抽出されてコーヒー粉の内部やコーヒー粉の層内に留まっているコーヒー成分を、お湯で洗い流してフィルターでろ過する作業です。
コーヒーの成分が留まっているフィルター内のコーヒー粉層の(上部)表面に、静かにゆっくりと、外側に「の」の字方式で湯を注ぎます。
湯の量の配分は、蒸らしに10分の1を使用して、残りは注湯の予定回数によって等分するのが定石ということですが、あまり気にする必要が無いと考えています。
注湯の仕方ですが、1回目はコーヒー粉層の(上部)表面から普通に注湯しますが、2回目以降は、前回の湯が3分の1くらい残っているうちに、ろ過された分(3分の2)を補っていきます。
注湯回数が多くなるに従って、湯の量を少なくしてもよいということですが、それほど神経質に考えなくても、適当に注湯しても、ほとんど差し支えが無いと考えています。
注湯回数についても、3回~5回ということになっていますが、回数に関係なく、必要量のコーヒー浸出液がフィルターから外部に出てきた段階で注湯を終了するという方法もあります。
コーヒー粉層の(上部)表面から注いだ湯は、自然の重力によって、コーヒー粉層の隙間を通って、下に向かってゆっくりと流れます。
そして、コーヒー粉の隙間や、コーヒー粉に付着しているコーヒー抽出成分を、押し出すようにして洗い流します。
コーヒー抽出成分と、それらを洗い流すのに使用した湯は、コーヒー粉の層やフィルター(紙・布)でろ過されて、フィルターの下のサーバーにコーヒー浸出液となって一緒に落ちてきます。
【8】注湯で注意すること
コーヒー粉層の上部表面から注がれた湯は、自然の重力の力によって、コーヒー粉層の空隙部分をゆっくりと下に向かって流れて行くのが理想です。
コーヒー粉の層内を流れる湯の速度は、一定の時間内に、どれだけの量の湯をコーヒー粉層の(上部)表面から注湯するかによって変わってくるのだと思います。
多ければ速くなって、少なければ遅くなります。
そして、当然のことですが、お湯の流れが速ければ、淡白なコーヒーができあがります。反対に、湯の流れが遅ければ濃厚なコーヒーになります。
また、お湯を勢いよく注ぎすぎると、コーヒー粉層が崩れてしまいます。
コーヒー粉層が崩れれば、コーヒー抽出成分を洗い流せなくなってしまうので、淡白なコーヒーができあがります。
【9】抽出時間と抽出成分
『序説珈琲学』によると、抽出時間は、蒸らしを含めて3~5分くらい、湯の温度は、沸騰した湯を少し冷まして、沸騰が収まった直後(95度前後)というのが基本だと書いてあります。
抽出される成分は、湯の組成や温度、抽出される物質の組成、抽出時間によって変わってくるのだと思います。
分子量が少なくて単純な形の成分は速やかに抽出されて、分子量の多くて大きく複雑に枝分かれしている成分は、ゆっくりと抽出されます。
初期に抽出される成分は、カフェイン・クロロゲン酸ラクトン・トリゴネリン・無機の塩類など、コーヒーの心地よい苦味に貢献する成分なのだと思います。
コーヒーの甘味に貢献している、果糖(フラクトール)も比較的初期に抽出されると考えています。
コーヒーの心地よい酸味を構成する酸類も、割合に早く抽出されるのだと思います。
抽出が進むと、キャラメル化した糖やたんぱく質など、分子量の多い複雑な構造の成分が出てきます。
これらの成分が多すぎれば、香味に悪い影響を与えます。少なすぎれば、軽い感じのコーヒーになってしまいます。
ただ、このキャラメル化した糖やたんぱく質などの分子量の大きな成分は、電解質の影響を受けるので、抽出物の中に15%以下しか現れないと、『序説珈琲学』に書いてあります。
おそらく、電解質の影響で、布フィルターや紙フィルターに補足される確率が高くなるのだと思います。
【10】ドリップ抽出の特徴
紙フィルターや布フィルターを使用して、ドリップ式でコーヒーを淹れる方法をエカワ珈琲店は好きです。
コーヒー浸出液には、ごく小さな分子やイオン、それよりも少し大きい高分子溶質、そして、それらよりもさらに大きいコロイド粒子がコーヒーの成分として含まれていると考えられます。
これらのコーヒー成分は、大きさが違うだけでなくて、その物理的・化学的な性質も異なっていて、ろ過するときのフィルターを透過する速度も違ってくるはずです。
ということで、エカワ珈琲店好みのコーヒー浸出液を得る方法として、ドリップ式が一番適していると考えているのですが、その理由は次のとおりです。
ドリップ式では、90度くらいの温度の湯を使ってコーヒーの成分を抽出するので、数ある抽出方法のうち、コーヒーの成分を抽出する温度が低い方に分類される抽出方式で、コーヒー成分の熱変性や芳香成分の散失が比較的少ない方法だと考えているからです。