インターネット内でカラメルを調べると、大雑把にですが、グルコース(ブドウ糖)やショ糖(砂糖)を熱すると生成する飴状の褐色物質で、糖から生成する揮発成分によって、特有の色と香りが付与されると説明されているように思われます。
カラメルの生成
糖類を加熱すると、摂氏130度くらいから加熱分解が始まって、転化糖と呼ばれるブドウ糖や果糖の混合物を生成します。
摂氏150度以上になると、相当に速いスピードで転化が進行して、5-オキシメチルフルフラールの生成量が増えて黄味を帯びてきます。
そして、摂氏170~190度になると、カラメルと呼ばれる黒褐色の物質になります。
カラメル化反応とコーヒー豆の焙煎
カラメル化反応は、アミノ化合物との成分間反応ではなくて、糖類が単独で加熱によって引き起こされる反応ですが、糖類と共存している数多くの成分がカラメル化を触媒すると言われています。
ですから、コーヒー豆の焙煎では、アミノ-カルボニル反応のほかにカラメル化反応も必ず一緒に発生しています。そして、特に、高温で加熱処理するコーヒー豆の焙煎では、カラメル化反応の占める割合が大きくなると言われています。
カラメル化反応で生成する化合物
カラメル化反応によって生成する化合物には、不揮発性成分と揮発性成分があります。
不揮発性成分
不揮発性成分として、オリゴ糖やコハク酸・フランカルボン酸・ピルビン酸・酒石酸・レプリン酸などの不揮発性の酸が知られていますが、これらの化合物は副成物であって、主要生成物は褐色物質だと考えられています。
揮発性成分
揮発性成分については、解裂や縮合が二度三度と繰り返されて、ものすごく多種類の物質を生成すると言われています。
酢酸・酪酸・プロピン酸・吉草酸などの脂肪族カルボニル化合物、フランなどのフラン化合物、ベンゼンなどの芳香族化合物、二酸化炭素などの気体物質、などなど・・・
褐変とカラメル
褐変とは、食品の加工または保存中に褐色化する現象です。そして、この現象には、酵素作用によものと、酵素作用によらない化学反応によるものがあります。
褐変反応には、非酵素的褐変反応と酵素的褐変反応があるわけですが、コーヒー豆の焙煎中に発生するアミノカルボニル反応やカラメル化反応は、酵素作用によらない化学反応による褐変ですから、非酵素的褐変ということになります。
カラメルは、焙煎コーヒー豆(食品)に好もしい褐色と芳香を与えてくれます。また、色、味、香りなどは、加熱温度による影響が大きいとされています。