珈琲手帳

珈琲豆自家焙煎歴30年の珈琲おたくが綴る珈琲ウンチク帳

水出しコーヒーの大量生産についての考察

水出しコーヒーは、心地良いほろ苦さと良質の甘味を持っていて、香り高くてコクがあるまろやかなコーヒーで、コーヒー浸出液の劣化スピードも、お湯を使って淹れたコーヒーと比べればゆっくりとしたスピードになると言われています。

 

その水出しコーヒーですが、近年(2010年代中頃から)、アメリカでブームになっていて、そのブームが世界中に広がる気配を見せています。また、水出しコーヒーに窒素ガスを封入するニトロコーヒーも、同じくブームになっているようです。

ekawacoffee.hateblo.jp

 

アメリカで水出しコーヒーブームが巻き起こる10年も前から、日本でも、キリンビバレッジ大阪ガスといった社名の知られている大企業が、水出しコーヒー製造方法や製造装置に関する特許を申請取得しています。

しかし、水出しコーヒーは長時間かけてコーヒー成分を抽出する淹れ方ですから、工業的規模の大量生産には不向きなコーヒー抽出法ということで、日本では、一部の喫茶店やレストランで提供されているだけで、それ以上の広がりは今のところ(2017年12月現在)無いようです。

 

アメリカの水出しコーヒーブームの担い手たちは、サードウェーブコーヒーの担い手たちですから、「水出しコーヒーの大量生産=工業的規模での生産」という意識が少なかったのだと思います。

だから、長い時間をかけてコーヒー成分を抽出した水出しコーヒーを、缶詰や瓶詰にして販売するという発想が出て来たのかもしれません。

 

ekawacoffee.hateblo.jp

この水出しコーヒーにも欠点が存在しています。長い時間をかけてコーヒー成分を抽出するので、コーヒー浸出液が空気と接触する時間も長くなります。

その結果、コーヒー浸出液中のコーヒー成分が酸化して、コーヒーの香味が劣化する可能性があると考えられています。また、微妙な香り成分が発散してしまう可能性もあると思われます。