江川珈琲店の珈琲用語集

エカワ珈琲店の独断と偏見で用語選定して、独断と偏見で記述している珈琲用語集

 

フラットサワー変敗

その昔、缶コーヒーのフラットサワー変敗という、一種の腐敗現象が話題になっていたことがあります。容器の缶容器は膨張していないけれども、内容物はフラットサワー原因菌に侵されて酸敗しているという現象をフラットサワー変敗と呼んでいます。

フラットサワー変敗は、缶コーヒーでだけ発生するわけではなくて、加温式自動販売機(ホットベンダー)で販売されるコーヒー・しるこ・スープなどの缶入り飲料のすべてで発生する可能性のある現象です。

アサヒ飲料 ワンダ 極 ブラック 丸福珈琲店監修 ボトル 缶 400g×24本

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フラットサワー変敗とは

普通、缶コーヒーの中身が変敗すれば、ガスが発生して缶が膨張します。しかし、フラットサワー変敗の場合、缶の膨張はほとんどなくて中身は変敗してしまっているというものです。

飲料を入れている容器は膨張していないので、見た目ではわかりません。フラットサワー変敗は酸敗現象だと思いますが、酸敗臭(酸っぱいような臭い)がせず、飲んで初めて異常に気付くタイプの変敗です。

フラットサワー変敗という用語は、加温式自動販売機(ホットベンダー)で販売されるコーヒー・しるこ・スープなどの缶入り飲料に見た目の異常(缶がフラットのままで膨らんでいない)が確認できないが、飲むと酸っぱい味がする(サワーになっている)変敗なのでフラットサワー変敗と名付けられたとも言われています。

 

フラットサワー変敗の原因菌

フラットサワー変敗現象の原因となる菌は、普通の殺菌作業では死滅せず、自動販売機などで缶コーヒーを加温保温することで、生育・増殖していくと考えられています。

細菌が増殖できる温度帯は様々ですが、細菌の増殖温度帯(or温度域)によって、低温細菌、中温細菌、高温細菌と大雑把に分類できます。

25度~40度の間に至適増殖温度がある細菌を中温細菌、0度以下の温度で増殖できる細菌を低温細菌、55度以上の温度で増殖できる細菌を高温細菌とすると、フラットサワー変敗の原因菌は高温細菌に分類される細菌だと思います。

 

フラットサワー変敗対策

フラットサワー変敗の原因菌である高温細菌は、一般的に55℃以上の温度で増殖する細菌ですから常温では増殖しないので、普段は何の問題も起こりません。

しかし、加温式自動販売機(ホットベンダー)や加温器で保温されて売られているRTDコーヒー(缶コーヒーなど)の場合、50度~60度の温度帯域で保温されているので問題が発生します。

フラットサワー原因菌のような高温細菌は耐熱性が強いので、これを殺菌するには相当に過酷な殺菌条件(温度、時間)を課す必要があるわけですが、マイナス5度~プラス50度の範囲を超えて長時間殺菌すると食品の品質が変わってしまいます。(コーヒーも食品です)ですから、加熱殺菌と他の方法の併用で高温細菌の増殖を防止する努力をしているようです。

加温式自動販売機(ホットベンダー)や加温器で保温されて売られているRTDコーヒー(缶コーヒーなど)の場合、ショ糖脂肪酸エステルの添加がフラットサワー変敗防止効果があるようです。