かつて、コーヒーの飲用と癌の進行との関係について、様々に取り沙汰されていました。
しかし、最近の研究の成果として、コーヒーの飲用がいかなる発がん物質とも無関係だという考え方が常識となっています。
それどころか、最近の幾つかの研究報告は、コーヒーの飲用が前立腺がんをはじめ、アルツハイマー病、痴呆、パーキンソン病、心臓病、二型糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、肝硬変、痛風を患うリスクを減少させていることを示唆しています。
同時に、コーヒーの飲用が呑酸(胸やけ)やそれに関連する疾患を増加させている可能性も示唆しているわけですが。
また、カフェインを除去したコーヒー(デカフェ)が、前立腺がんや二型糖尿病などの病気に対する予防的な抵抗力を示しているという事実から、人体の生理作用に影響を与えているのが、コーヒーに含まれているカフェインだけとは限らないことを示唆しています。
近年、コーヒーの飲用が糖尿病発症のリスクを軽減するという研究が注目されています。
そして、糖尿病の予防効果は、コーヒーに含まれているコーヒー酸とクロロゲン酸に起因していると考えられています。
コーヒーに含まれているコーヒー酸やクロロゲン酸の存在は、細胞にダメージを与えるフリーラジカルをプロックすると考えられています。
その抗酸化作用ですが、コーヒー生豆に含まれている抗酸化成分よりも、ローストしたコーヒー豆に含まれている抗酸化成分の方が強い力を持っていると考えられています。
コーヒーは、最早、冠動脈心疾患の危険因子では有り得無いと考えられています。
カフェインは、抗うつ病を緩和するクスリとして処方されています。
2004年に出版された文献は、コーヒー飲用と自殺率の間に、どのような相関関係も存在していないと評論しています。
カフェインは中脳皮質系ドーパミン神経に作用して、ドーパミンなどの脳の興奮性神経伝達物質が自由に動けるようにします。
積極的に作用するのではなくて、ブレーキが効かないようにして、脳の興奮性神経伝達物質をサポートしています。
この作用によって、うつ病の感覚を減少させているかもしれないと考えられています。
また、コーヒーの飲用は、内皮細胞の働きを良好にするかもしれないと考えられています。