日本では、浅く焙煎したコーヒー豆で淹れるコーヒーのことを、普通、アメリカンコーヒーと呼んでいます。
1980年代の日本では、中煎りに焙煎したコーヒー豆を使って、普通に淹れたコーヒーをお湯で薄める、「お湯で割ったら、アメリカン」タイプのアメリカンコーヒーが大流行しました。
アメリカンコーヒーについて、2つの物語を引用します。
1つ目は、『銀座でコーヒー50年』からです。
アメリカ独立戦争のきっかけとなった「ボストン茶会事件」、この事件を境に、アメリカでは、紅茶に代ってコーヒーが飲まれるようになりました。
紅茶の代用ですから、コーヒー豆を浅く焙煎して、色の薄いコーヒーを飲んだわけです。
ですから、浅く焙煎したコーヒー豆で淹れる、色の薄いコーヒーを「アメリカンコーヒー」と呼んでいます。
2つ目は、『序説珈琲学』からです。
アメリカ中西部の水は、硬度が高くてアルカリ性の強い水ですから、この水の質に合わせたコーヒーということで、アメリカンと称する、浅く焙煎した色の薄いコーヒーが飲まれています。
浅く焙煎して、コーヒーの酸味を強く残して、アルカリ性の水の影響を軽くしようとしたわけです。
そして、エカワ珈琲店の見解です。
喫茶店の全盛時代、1980年代、ミルクや砂糖を添加せずに、ブラックで飲めるアメリカンコーヒーが日本で大流行しました。
浅く焙煎したコーヒー豆を使って淹れるアメリカンコーヒーと、普通のコーヒー豆で普通に淹れたコーヒーを、お湯で薄めたアメリカンコーヒーが提供されていました。
どちらが美味しいかというと、理論的には後者だとエカワ珈琲店は考えています。