スイス・ウォーター・プロセスは、蒸気と活性炭を利用して、コーヒー生豆からカフェインを除去する極めて優れたデカフェ(カフェインレスコーヒー)製造方法です。
太平洋に面するカナダのブリティッシュコロンビア州の会社が実用化したカフェイン除去方法で、水(お湯)を使ってコーヒー生豆に含まれているカフェインを99.9%、ゆっくりと時間を費やして除去する方法。
コーヒー生豆からのカフェイン除去方法ですが、有機溶媒を使ってカフェインを除去する方法、水だけでカフェインを除去する方法、化学溶媒の代わって二酸化炭素を使ってカフェインを除去する方法が知られています。
その中で、水だけでカフェインを除去する方法がスイスウォータープロセスと呼ばれている
スイスウォータープロセスは、1933年、スイスで考え出された化学薬品を使わずに水だけでコーヒー生豆からカフェインを除去する方法です。1980年にスイスの会社が実用化可能な方法を開発して、1988年、カナダの会社(Swiss Water Company)が実用化しています。
このカナダの会社のカフェイン除去工場は、オーガニック認証を受けている世界で唯一の工場ですから、有機栽培のコーヒー生豆のカフェイン除去は、すべてスイスウォータープロセスで行われているようです。
コーヒー生豆をお湯に浸して、コーヒー生豆に含まれているカフェインをお湯の中に抽出すると、カフェインと一緒に、糖やタンパク質などの可溶性物質(水に溶ける成分)も抽出されてきます。その抽出液から、カフェインだけを取り除いてフレーバーチャージ水(orグリーンコーヒーエキス)というものを作ります。
このフレーバーチャージ水(orグリーンコーヒーエキス)を使って、コーヒー生豆からカフェインだけを除去する方法がスイスウォータープロセスです。
スイスウォータープロセスでは、99.9%のカフェインが取り除かれます。(カフェインフリーのコーヒー生豆が出来上がります)
有機溶媒を使う方法でカフェインを除去するプロセスのように、コーヒー生豆から除去したカフェインを回収して販売することができないので、カフェイン除去のコストが割高になると言われています。
また、同じフレーバーチャージ水(orグリーンコーヒーエキス)を使って、何回もコーヒー生豆からカフェインを除去するので、コーヒー豆の持つ風味成分に影響を与えている可能性があるとも言われています。