「またい」or「あさぶくろ」と読む。コーヒー生豆を入れて輸出する麻製のコーヒーバッグ(布袋)。
麻袋には、生産国名・銘柄・輸出入業者名が印刷されています。黄麻(ジュート)などで作られています。
ジュート袋。コーヒー生豆を入れて輸出するための麻製の布袋。
伝統的に60kgか70kgの袋なのですが、最近では、もう少し小分けしたタイプの麻袋で輸出されることもあるようです。
収穫したコーヒー果実から種子(コーヒー生豆)を取り出すことを、コーヒー豆の精製と呼んでいます。その方法ですが、大きく分けて、自然天日乾燥式(ドライメソッド、ナチュラル、アンウォッシュド、非水洗式)と水洗処理式(ウェットメソッド、ウォッシュド、湿式法)の2つが知られています。
アラビカ種のコーヒー生豆なら、ブラジル、エチオピア、イエメンで採用されているのが自然天日乾燥式精製方法で、中南米の国々、カリブ海の島々、アフリカの国々で採用されているのが水洗処理式精製方法です。これには、生産地域で水を十分に使えるか使えないかが関係しているとも言われています。
大半のロブスタ種のコーヒー生豆精製方法には自然天日乾燥式が採用されていますが、インドやインドネシアのロブスタ種は、水洗処理式精製方法が採用されていることもあるようです。
2つのコーヒー生豆精製方法以外では、ブラジルで開発されたパルプドナチュラル、インドネシアのスマトラ島やスラウェシ島で行われているスマトラ式のコーヒー生豆精製方法、只今売り出し中のハニープロセス(ハニー精製)などが知られています。
水洗式精製方法ではパーチメトコーヒー、非水洗式精製方法ではドライチェリーを脱穀機にかけてパーチメントと呼ばれている皮や外皮などを除去します。
次いで、外皮やパーチメントを取り除いたコーヒー豆を、風力、比重、電子、スクリーン、手作業で選別します。
商品にならないコーヒー豆を選別で取り除いて、商品としてのコーヒー豆を袋詰めします。その袋詰めする袋に麻袋が使われます。そして、消費地へと出荷されて行きます。
コーヒー生豆を詰めた麻袋が流通の途中で水に濡れたり湿気を過剰に吸収したりすると、コーヒー生豆が麻袋のニオイを吸収することがあります。麻袋のニオイを吸収したコーヒー生豆の状態をバギー(Baggy)と呼んでいます。
バギー(Baggy)状態のコーヒー生豆を焙煎して、その焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れると、かび臭い不快なニオイとワラのような風味を持つコーヒーが出来上がります。
コーヒー生豆がバギー(Baggy)状態になるのを避けるために、麻袋に変わる梱包方法やコーヒー生豆をビニール袋に詰めておいて、それを麻袋で梱包するという方法が使われ始めています。