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結合水/Bound Water

コーヒー豆には水分が含まれています。コーヒー豆に含まれている水分ですが、大きく結合水と自由水に分けることができます。

自由水は自由に移動できる水ですが、結合水は食品成分と引っ付いているので自由に移動できない水です。

 

結合水と自由水

自由水は100度になれば蒸発する普通の水ですが、結合水は、コーヒー豆の成分と結合している水ですから、100度になっても蒸発しません。蒸発するのに、それ以上の温度が必要となります。

自由水は、コーヒー豆の成分と結合せず存在し、移動する事ができる水。蒸発したり、凍ったりする。微生物が生育で利用できる水です。

結合水は、コーヒー豆の成分と結合した水で、微生物が利用しにくい水です。

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結合水とは

光琳選書「食品と水/久保田昌治、石谷孝佑、佐野洋編著」によると、

結合水は、電解質、タンパク質、糖質などの溶質分子と強く相互作用して溶質分子表面に束縛された状態にある水である。普通の水とは異なる性質を示す。

 

結合水の定義

光琳選書「食品と水/久保田昌治、石谷孝佑、佐野洋編著」からの引用ですが、大体次のように定義できるようです。

(1)ある相対湿度および温度において平衡状態で結合されている水、または明確に定められた乾燥操作のあとに保持される水。

(2)基質の第一吸着単分子層を満たす水。

(3)溶質のタイプに依存するが、溶質の溶媒和に利用されない水

(4)鋭い転移温度を示さない水

(5)高周波数において誘電率の配向性に寄与しない、つまりそれが付着した巨大分子に関して自由には回転できないみず。

(6)沈降、拡散などの実験で巨大分子とともに動き、その巨大分子の水力学的大きさを増大させる水。

(7)NMR法で測定すると、より遅い回転を示す水。

(8)より遅い拡散を示す水。

(9)X線回析や中性子回析において、結晶内分子に関して規則的な分子位置をとることが認められる水。

(10)光散乱や小角X線回析で巨大分子溶液を測定すると、正常液と異なる密度をもつ水。

(11)赤外線吸収スペクトルまたはラマンスペクトル分析によって巨大分子との水素結合に関与していることが示される水。 

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コーヒー豆焙煎と結合水

コーヒー生豆を高温で煎る作業が、コーヒー豆の焙煎です。

コーヒー豆の焙煎では、最初、100度になれば蒸発する自由水が蒸気となって、コーヒー豆から取り除かれているのだと思います。

自由水の揮発が始まってからしばらくすると、コーヒー生豆の各種成分と結合している結合水が蒸気となって取り除かれて行くのだと思います。(脱水反応)

このコーヒー生豆に含まれている水分を取り除く過程で、コーヒー生豆に含まれている成分が化学変化して、コーヒー独特の香りや味が作られていると、エカワ珈琲店は考えています。

 

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