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発酵したコーヒー生豆

収穫したコーヒーの果実からコーヒー豆を取り出す工程を、コーヒー豆の精製と呼んでいます。しかし、精製処理したのちにも、色々な異物・欠陥豆などが混じっています。

コーヒー豆の生産輸出国では、出荷(輸出)に当たっての出荷基準(輸出基準)を設定しています。その出荷(輸出)基準に適合させる作業を精選と呼んでいるようです。

ekawacoffee.hateblo.jp

 

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コーヒー豆の精選 | 選別

石脇智広さんの著書『コーヒーこつの科学』は、次のように説明してくれています。

コーヒーチェリーから種子を取り出し、乾燥させて生豆をつくり、輸出規格に仕上げる一連の加工工程のこと、精選の前半は生豆をつくる工程で、本書では「精製」と呼び、後半の生豆を選り分ける工程を「選別」という

コーヒーこつの科学 | 柴田書店 | 石脇智広

ekawacoffee.hateblo.jp

 

選別

精選の後半工程が、コーヒー生豆の中に混じっている異物を取り除いたり、コーヒー生豆をサイズ別に分類したりする工程です。

選別の説明についても、石脇智広さんの著書『コーヒーこつの科学』から引用させて頂きます。

最初に石抜きを行います。石と生豆の比重差を利用して取り除くのです。・・・

第二段階は風力による選別です。豆を上から投入して落下させ、そこに下から風をあてることによって軽い豆や軽い異物を取り除きます。

第三段階はスクリーン選別(サイズによる選別)です。・・・

第四段階は比重選別です。ここからは第三段階で分けられたサイズごとに処理され、高品質な比重の大きいものが選び出されます。

そして最後の段階は、色による選別です。機械を使うことも、目視によることもありますが、色のおかしいものは取り除かれます。

コーヒーこつの科学 | 柴田書店 | 石脇智広 162ページより引用

 

欠点豆

コーヒー豆生産現場での選別作業で、欠点豆は取り除かれて出荷されるわけですが、出荷までの段階で、欠点豆を完全に取り除くのは難しいのだと思います。

どうしても、発酵豆などの欠点豆が残っていることが多々あります。その、どうしても残ってしまっている欠点豆を取り除く作業が、コーヒー豆を焙煎する前や焙煎後に実施するハンドピックだと年老いた珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店の店主)は考えています。

 

発酵豆 

発酵豆のうち、黒く変色したコーヒー生豆については見ればわかります。しかし、発酵しているけれども、目で見るだけでは、普通のコーヒー生豆と殆ど見分けのつかない発酵したコーヒー生豆があります。

変色していれば、コーヒー生豆の段階で取り除くことができます。しかし、普通のコーヒー生豆と識別することができなければ、そのまま焙煎するより方法がありません。

外観的に、普通のコーヒー生豆との識別が困難であったとしても、焙煎すれば、発酵したコーヒー豆は、普通のコーヒー生豆のように褐色にはなりません。

 

それが何故なのか考えてみました

コーヒー生豆の発酵過程において、タンパク質の遊離アミノ酸が代謝反応の対象となることで、焙煎時において、メイラード反応の反応力を低下させるのだと思います。

そのため、メイラード反応によって生成される代謝物質(褐変物質)、メラノイジンなどの生成量が少なくなるので色が薄くなるのだと年老いた珈琲豆焙煎屋は推測しています。