21世紀に入ってから、コーヒーの苦味の原因物質については、新たな考え方が登場しています。
コーヒーは、酸味・苦味・甘味、時として渋味などが複雑に混じりあった複合的な風味を持っています。
そして、飲むコーヒーにとって、口の中で後味として残らないキレの良いほろ苦さは絶対必要条件なのだと思います。
ということで、中煎コーヒー豆と深煎コーヒー豆の、それぞれの苦味の原因物質について、様々な資料を参考にさせて頂いて、現時点(2016年2月)でのエカワ珈琲店の見解を記事にしてみました。
(1)カフェインとコーヒーの苦味
エカワ珈琲店のようなロートルな珈琲屋は、コーヒーの苦味と聞けば、カフェインという化学物質の名前が思い浮かびます。
しかし、コーヒーの苦味に対するカフェインの影響はごく僅かだと考えられています。
(2)クロロゲン酸類とコーヒーの苦味
コーヒー豆に比較的多く含まれていて、コーヒーの味覚に様々な影響を与えているのがクロロゲン酸類なのだと思います。
そして、そのクロロゲン酸類に関係する化合物が、コーヒーの苦味の主な部分を作り出している可能性が高いと考えられているようです。
(3)中煎りコーヒー豆の苦味とクロロゲン酸ラクトン
最近では、中煎に焙煎したコーヒー豆で淹れたコーヒー浸出液の主な苦味は、クロロゲン酸ラクトン類だと考えられているようです。
(エカワ珈琲店の珈琲の基礎知識は1990年代の前半に会得したものです。ですから、21世紀に入ってからのものは、全て最近と表現しています。)
(4)深煎コーヒー豆の苦味の原因物質
コーヒー豆をより深く(長時間)焙煎して行くと、クロロゲン酸ラクトンが分解して新しい苦味化合物の生成が始まると考えられています。
(5)コーヒーメラノイジン
コーヒー豆を焙煎することで、コーヒーメラノイジンが生成されます。
コーヒーメラノイジンは、焙煎中のメイラード反応によって生成する最終段階の化合物です。
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