エカワ珈琲店の珈琲用語集

エカワ珈琲店の独断と偏見で用語選定して、独断と偏見で記述している珈琲用語集

 

バンカム

アラビアの名医ラーゼスが、西暦900年頃、「バンカムは刺激的で、さっぱりした味を持ち、胃に非常によい」書き残しているそうです。

当時のアラビアでは、コーヒーの果実を「バン」、それを煎じた飲み物を「バンカム」と呼んでいたみたいです。

 

以下、人間の科学社発行の『コーヒー学講義/著者は広瀬幸雄、星田宏司』という本からの引用です。

コーヒーについて触れた最も古い記録としては、アラビアの名医ラーゼス(865年~922年)のものがあります。

彼は900年ころ、アラビアで民間薬的に煎じられて服用されていた、アビシニア産の木の実の液に興味を持ち、「陽気なさっぱりしたもので、胃に非常に良い」と書き残しています。

当時、人々はコーヒーの果実をバン、煎じ出されて飲まれている液をバンカムと呼び、水に浸した生豆を殻のまま煮だして、一種の「霊薬」として用いていました。

すなわち、コーヒー飲用の始まりは、現在、私たちが嗜好品として飲んでいるものではなく、薬としての飲用法だったのです。

 

ラーゼス(850年~922年)は、古代ギリシャの医師ガレノスを信奉していて、同じくヒポクラテスを崇拝するアラビア医学の古典時代の医学者です。

ラーゼスは、偉大な詩人で哲学者で天文学者で、アラビア医学の古典時代を代表する医学者だと伝えられています。

バグダットの病院長を務め、薬学及び外科医術に関する多くの書物を著し、その主書「アル・ハーヴィー/包含の書」は、ガレノス以来の治療法の集大成である。

(ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて/山内秀文、角川ソフィア文庫からの引用)

 

フランス人のコーヒー商人で哲学者・文筆家でもあったフィリップ・デュフール(1622年~1687年)のコーヒー研究書によると、初めてコーヒーをバンカム(orブンチュム)という言葉で表現したのはラーゼスで、9世紀のことだと記しています。

980年生まれのイスラム教徒の医師アヴィセンナ(980年~1037年)も、コーヒーをブンチュム(ブン)と表現していて、その薬効について言及しています。

 

フィリップ・デュフールはその著作で、アヴィセンナがブンチュム(orブン)と記述したものと、ラーゼスがバンカム(orブンカム)と記述したものは同じものであると語っています。

 

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