コーヒー生豆には焙煎コーヒー豆の前駆体となるプリカーサー (precursor) とも呼ばれる成分がたくさん(数多く)含まれています。それらの前駆体(プリカーサー/precursor) が、焙煎という加熱作業によって焙煎コーヒー豆の重要な成分に変身するわけです。
ということで、たんぱく質・炭水化物・脂質という3大栄養素以外で、コーヒーに含まれている成分について幾つか書き出してみます。
カフェイン
コーヒーに含まれている成分で一番知られているのが、カフェインなのだと思います。
カフェインはプリン系のアルカロイドで、コーヒーの苦味成分の一つだとされています。
お茶やココアにもカフェインが含まれているとされていますが、正確には、メチルキサンチン類というカフェインに良く似た構造を持つ物質で、お茶に含まれているのがテオフィリン、ココアに含まれているのがテオブロミンと呼んでいる物質です。
一杯のコーヒーに含まれているカフェインの量はというと、だいたい100mgくらいです。ちなみに、コーヒーの場合、99%が水分で構成されています。
【カフェイン】
テオフィリン、テオプロミン
コーヒーに含まれているカフェインは、純粋のカフェインということで、最もたくさんコーヒーに含まれているのですが、それ以外に少量ですがテオフィリンやテオブロミンもコーヒーに含まれています。
これらはカフェインの代謝産物で、カフェインと同様の作用を持っているのですが、その作用の強さには違いがあるようです。
【テオフィリン】
【テオプロミン】
クロロゲン酸
コーヒー生豆の中にカフェインよりも多く含まれているのがクロロゲン酸で、コーヒー生豆に約10%含まれているとされています。
クロロゲン酸は、キナ酸とコーヒー酸がくっついたポリフェノール化合物で、焙煎による化学反応や抽出によってキナ酸部分(緑色の部分)が加水分解されるとコーヒー酸になります。
【クロロゲン酸】
コーヒー酸
コーヒーの香り成分で、もっとも量的に多いのがコーヒー酸由来の香り成分なのだと思います。
コーヒーの香り成分は数百種類以上あるとされていて、量が多いだけではコーヒーの香りの主役になることができません。
量の多い少ないにかかわらず、コーヒーらしい香りを醸し出す香り成分が上手く混合されて、あの素晴らしいコーヒーの香りが出来上がっているのだと思います。
【コーヒー酸】
トリゴネリン 、ニコチン酸
さらに、ビリジン系のアルカロイドであるトリゴネリンがコーヒー生豆に含まれています。トリゴネリンは焙煎による加熱で、褐色色素となったりニコチン酸になったりします。ニコチン酸は体内でビタミンのナイアシンとなります。
【トリゴネリン】
【ニコチン酸】
関連ストーリー