コーヒー豆(生豆)ですが、もともとは、コーヒーノキになる果実の種子です。コーヒー果実から種子を取り出して、長期保存が可能なように種子を乾燥させる工程(プロセス)をコーヒー豆の精製と呼んでいます。
コーヒー豆の精製方法として、昔からの自然乾燥式(アンウォッシュド、非水洗式)、最も普及している水洗式(ウォッシュド) 、それと圧力洗浄装置を使う半水洗式(セミウォッシュド、パルプドナチュラル)の3つ精製処理方法が知られています。
(アイキャッチ用のイメージ写真です。ハニープロセスとは関係ありません)
ハニープロセスとは
収穫したコーヒー果実から実の部分を取り除いて乾燥させます。乾燥させるだけだと、コーヒー豆の表面に果肉のヌルヌルした部分(ミューシレージ)が残ります。水洗いすると、その残っている果肉のネバネバした部分が全て取り除かれてしまいます。
ハニープロセスとい名のコーヒー生豆精製方法は、その果肉の部分を残す新しい精製方法なのだと思います。
NHK出版発行の田口護さんと旦部幸博さんの共著「コーヒーおいしさの方程式」によると、ハニー精製とは、半水洗式のパルプトナチュラルという精製方法で、果肉の残し方で香味を調整する精製方法のようです。
ハニープロセスの種類
ハニー(蜂蜜)とは、ミューシレージと呼ばれる果肉とコーヒー豆の境目にある粘液部分(コーヒー豆表面についているぬるぬるした粘液)のことを指しているのだと推測しています。そして、このハニー(orミューシレージ)を残す割合が変わると、淹れたコーヒーの香味にも影響があると言われています。
ハニー精製(ハニープロセス)は、このハニー(orミューシレージ)を残す割合を、ケースバイケースで変更する精製方法だと推測しています。
100%ミューシレージを残して精製しているコーヒー生豆をブラックハニー、ミューシレージを半分くらい残して精製しているコーヒー生豆をイエローハニー、ほとんど取り除いて精製しているコーヒー生豆をホワイトハニーと呼んでいるようです。
ハニープロセスの歴史
ハニー精製(ハニープロセス)は、コスタリカで開発された精製方法で、パルプドナチュラルに分類される精製方法だと言われています。2000年代、地震などの影響で水不足に陥ったコスタリカで発展して来た精製方法で、最近では、グァテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、メキシコ、それにブラジルでも、ハニー精製(ハニープロセス)による生産処理プロセスを採用する農場・農園があるそうです。
ハニープロセスの利点と問題点
乾燥中に大雨に晒されたら・・・、果実のヌルヌルした部分(ミューシレージと呼ばれるペクチン層)が乾燥中に過剰発酵して酢酸を作り過ぎたら・・・、乾燥中にミューシレージにカビが発生する可能性は・・・、と言った問題もあるようです。
しかし、ハニープロセスは、水(淡水)の使用量が少なくできて処分を必要とする廃棄物の流出量も少なくなるので、環境に優しくて自然資源を保護するコーヒー生豆精製方法だと言われています。
ハニープロセス(ハニー精製)の登場で、コスタリカ産のコーヒー生豆の付加価値が上昇したことは確かのようです。
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コーヒー果実の果肉と種子の間にあるヌルヌルした粘液。ミューシレージをハニーと呼ぶこともあります。
ekawacoffee.hateblo.j最も歴史の古いコーヒー豆精製方法。昔ながらのコーヒー豆精製方法で、水の便がよくない地域で使われているコーヒー豆精製方法。
コーヒー果実から商品のコーヒー豆を取り出す作業を精製と呼んでいます。コーヒー豆の精製は、コーヒーの味に大きく影響を与えると言われています。