コーヒーブルーム、日本語では「蒸らし」と呼ばれている現象を理解することは、ドリップコーヒー、特に手作業でコーヒーを淹れるハンドドリップ技術の向上を意味していると考えています。
コーヒーブルームとは・・・
ハンドドリップでコーヒーを淹れると、セットした焙煎コーヒー粉(or顆粒)とお湯が接触する時、焙煎コーヒー粉(or顆粒)に含まれているコーヒーのガスが急速に放出されます。この時に発生する現象です。
コーヒーのガスは・・・
焙煎コーヒー粉(or顆粒)から放出されガスは、コーヒー豆焙煎中に作られる二酸化炭素ガスと数百種類以上と言われている揮発性香りガスによって構成されています。そして、コーヒーブルームを作り出すガスは二酸化炭素ガスだと考えています。
コーヒー豆焙煎中に生成する二酸化炭素ガスや揮発性の香りガスは、焙煎コーヒー豆内に保持されています。そして、焙煎コーヒー豆内に保持されている二酸化炭素ガスや揮発性の香りガスは、焙煎終了後、1か月くらいで焙煎コーヒー豆からほぼ放出されてしまいます。
コーヒーのガスの役割は・・・
焙煎コーヒー豆から二酸化炭素ガスや揮発性の香りガスの大半が放出されるのに、焙煎コーヒー豆のままで保管しているなら3週間~4週間くらいかかると考えています。
焙煎コーヒー豆内に存在している二酸化炭素ガスや揮発性の香りガスは、カップコーヒーに風味をもたらしてくれるわけですから、焙煎コーヒー豆内に二酸化炭素ガスや揮発性の香りガスが残っているうちに使用するのが基本だと考えています。
ちなみに、焙煎コーヒー豆を粉砕するとガスの放出スピードが速くなります。これが、コーヒーを淹れる直前に焙煎コーヒー豆を粉砕する(挽く)のが理想だとされている理由です。
コーヒーブルームに影響する5つの要因・・・
焙煎コーヒー豆の中に閉じ込められている二酸化炭素ガスや揮発性香りガスは、焙煎終了後、焙煎コーヒー豆からゆっくりと放出されて行きます。その放出スピードに関係する要因は、下記の5つの要因です。
(1)焙煎コーヒー豆の保管温度
焙煎コーヒー豆保管場所の温度が高ければ高いほど、焙煎コーヒー豆からコーヒーのガスが放出して行くスピードが速くなります。
焙煎コーヒー豆は、涼しい環境を維持している場所で保管するのがベストです。
(2)焙煎コーヒー豆の保管湿度
湿度が低くい乾燥した場所で焙煎コーヒー豆を保管すると、焙煎コーヒー豆からコーヒーのガスが放出されるスピードが速くなります。
また、湿度が高い湿気の多い場所で焙煎コーヒー豆を保管すると、カビなどの菌類に侵される可能性が高くなります。
焙煎コーヒー豆は、最適な湿度レベルを維持した場所で保管するのがベストです。
(3)焙煎コーヒー豆の煎り具合
コーヒー豆の焙煎時間が長くなれば(or深くなれば)、コーヒーガスの発生量が多くなります。ですから、焙煎コーヒー豆の煎り具合は、コーヒーブルーム の発生具合に影響を与えていると思います。
(4)コーヒー生豆の生産地
焙煎コーヒー豆の原料であるコーヒー生豆の生産地も、コーヒーブルームの発生具合に影響を与えていると言われています。生産地によって、あるいは、生産方法によって、コーヒー豆焙煎中に発生するコーヒーガスの量に違いが出てくるとも言われています。
(5)焙煎コーヒー豆の硬さ
焙煎コーヒー豆が硬ければ硬いほど、コーヒーのガスが焙煎コーヒー豆から放出され難くなります。
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