コーヒー豆からカフェインを除去する方法として、有機溶媒を使ってカフェインを除去する方法、水だけを使ってカフェインを除去する方法(スイスウォータープロセス)、化学溶媒の代わりに二酸化炭素を使ってカフェインを除去する方法(超臨界二酸化炭素プロセス)が知られています。
何れも、コーヒー豆からのカフェイン除去は、コーヒー生豆の段階で行われます。そして、何れのカフェイン除去方法でも、コーヒー生豆からのカフェイン除去には水が使われます。
塩化メチレンや酢酸エチルのような有機溶剤の助けを借りてコーヒー豆からカフェインを取り除く方法が、有機溶媒を使ってカフェインを除去する方法です。
健康被害の心配が少ないという理由で、有機溶剤として塩化メチレンや酢酸エチルが使われています。
この有機溶媒を使ってカフェインを除去する方法には、コーヒー豆を直接有機溶剤に漬けて(or浸して)カフェインを除去する方法(コーヒー豆と有機溶剤が接触する方法)と、水でカフェインを抽出して、その水を別のタンクに移して有機溶媒で処理する方法(コーヒー豆と有機溶剤は接触しない)があります。
そして、後者のコーヒー豆と有機溶剤を接触させないでカフェインを除去する方法を塩化メチレン法と呼んでいます。理由は、有機溶媒として主に塩化エチレンが使われるからです。ドイツ、ヨーロッパで人気のあるカフェイン除去方法です。
塩化エチレン法のプロセス
コーヒー豆を沸騰しているお湯に数時間浸して、コーヒー豆から風味成分やオイル、それにカフェインを抽出します。そして、水を分離して、コーヒー豆を別のタンクに移して、分離した水に塩化メチルか酢酸エチルを添加して洗浄します。
有機溶媒の分子がカフェインの分子を選択して結合するので、その混合物を加熱して蒸発させます。最後に、コーヒー豆を液体に戻して、コーヒーオイルや風味成分を再吸収させます。