生鮮食品を食するのに、物理的手段を使って皮をむいたり切断したりして、食べられる部分と食べられない部分に分離します。
香味の素晴らしいお酒を造るのには、絶対に蒸留操作が必要になります。
発酵食品を作るについては、フルイ分け・分級・ろ過・抽出という分離操作を行います。
インスタントコーヒーの製造で、コーヒー抽出液の濃縮に使われる凍結濃縮法は、晶析と固液分離を組み合わせた方法です。
というように、食品加工の世界では、分離精製操作は欠く事のできない操作となっているわけです。
分離とは、混合物の中から特定の成分を選択して分けることで、精製とは、混在する他の物質を排除して、特定成分の純度を高くすることと書物に書いてあります。
分離操作には、3種類の操作があります。
1つ目は、ろ過・遠心分離のように、物質の大きさ・比重の違いを利用する力学的な分離操作です。
2つ目は、電気泳動・電気透析などの化学的な性質を利用する分離操作です。
3つ目は、蒸留・晶析・抽出・吸着・ガス吸収などのように、相平衡の違いを利用する分離操作です。
そして、1つ目と3つ目の分離操作については、コーヒー豆の焙煎・保存・粉砕・抽出に関係してきます。
健康に悪い影響を与える物質、イヤな味やニオイの原因となる物質については、食品加工の段階で完全に除去しなければなりません。
その原因となる低分子の物質ですが、タンパク質などの高分子物質と結合しているので、それを分離することが必要となります。
蒸留・晶析・吸着・抽出という分離操作では、原料に熱を加えるか、水(湯)などの分離媒体と接触させるかして分離を行っています。
ですから、平衡関係と物質移動の理論の重要性が高くなります。
蒸留は、気体と液体の間の平衡関係を利用した分離法です。
晶析では、溶解度の温度依存性が問題となります。
吸着の場合、吸着剤内部での拡散、吸着剤と流体との界面での平衡関係と移動速度のデータの重要性が高くなります。
抽出でも、抽出しようとする成分が、試料と溶液の間でどのように分配されているかを知っておく必要があります。
最後に、新しい分離精製の方法として、超臨界流体抽出法というものが誕生しています。コーヒー生豆の脱カフェインに利用されている方法です。
この抽出方法で利用される超臨界二酸化炭素が、人体に安全で不燃性であるという理由で、現在一番注目を集めている分離精製の方法です。
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