珈琲手帳

珈琲豆自家焙煎歴30年の珈琲おたくが綴る珈琲ウンチク帳

焙煎コーヒー豆を豆のままの姿で購入した方が良い理由

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焙煎コーヒー豆は、空気に触れると酸化が始まります。正確には、焙煎コーヒー豆内のコーヒーオイルが空気と接触すると酸化して行くわけです。しかし、焙煎直後のコーヒー豆には二酸化炭素ガスが含まれていて、この二酸化炭素ガスが、空気とコーヒーオイルの接触を防いでいます。

 

それが、焙煎コーヒー豆を豆の姿のまま購入した方が良い最大の理由ですが、その他にも幾つかの理由が存在しています。

ということで、エカワ珈琲店が考える、焙煎コーヒー豆を豆の姿で購入した方が良い理由、顆粒や粉に粉砕した姿で購入しない方が良い理由を4項目にまとめました。

以下の4項目の問題点を解決する方法は、唯一つです。焙煎コーヒー豆姿のままで保存して置いて、コーヒーを淹れる直前に焙煎コーヒー豆を挽くことです。

   

(1)コーヒーオイルを汚染させる

焙煎コーヒー豆を顆粒または粉に粉砕すると、焙煎コーヒー豆内のコーヒーオイルが表面に出てきます。あるいは、焙煎コーヒー粉の表面とコーヒーオイルの距離が短くなります。

そうすると、コーヒーオイルが粉砕した焙煎コーヒーの周囲の嫌悪感を覚える匂いを吸収して、その匂いが淹れたコーヒーに持ち込まれたりします。焙煎コーヒー豆の姿のままだと、嫌悪感を覚える匂いを吸収する可能性が低くなります。

焙煎コーヒー豆の姿のまま保存して置くと、コーヒーオイルの汚染する確立が少なくなると思います。

 

(2)芳香成分の放出スピードが増す

焙煎終了直後の焙煎コーヒー豆細胞内には、800~1000種類くらいの揮発性芳香成分が含まれています。焙煎コーヒー豆を粉砕すると、それらの揮発性芳香成分の放出スピードが極端に速くなります。

焙煎コーヒー豆粉砕後、約15分で揮発性芳香成分の約60%が失われると考えられます。焙煎コーヒー豆の姿のままだと、揮発性芳香成分はゆっくりと放出されて行きます。

 

(3)湿気を吸収しやすくなる

コーヒーオイルは、焙煎中に発生した揮発性芳香成分を吸収or吸着(収着)しています。このコーヒーオイルが水(or湯)に分散することで、コーヒーの香り(or風味)が出現して来るとエカワ珈琲店は考えています。

焙煎コーヒー豆は水分を吸収し易い性質を持っているので、保存中に湿気を吸収する可能性があります。焙煎コーヒー豆姿のまま保存して置くよりも、焙煎コーヒー粉(or顆粒)に粉砕して保存する方が、湿気と接触する表面積がものすごく大きくなるので、湿気を吸収しやすくなります。

湿気を吸収すると、揮発性芳香成分が吸収or吸着(収着)しているコーヒーオイルは湿気で希釈されてしまいます。また、湿気の吸収が、コーヒー成分を変質させることもあります。

   

(4)二酸化炭素の消失スピードが速くなる

コーヒー豆の焙煎中に発生して、焙煎終了後も焙煎コーヒー豆内に残っている二酸化炭素ガスは、焙煎コーヒー豆の香味成分を空気(酸素)の攻撃から守るバリアーの役割を演じているわけですが、焙煎後数週間くらいで大半が放出されてしまいます。

香気成分は焙煎コーヒー豆内のオイルに囲まれているわけですが、焙煎コーヒー豆内のオイルは、空気と触れると酸化してしまいます。

焙煎コーヒー豆からの二酸化炭素ガスの放出は、最初は素早く、その後、徐々に放出されて行きますが、4~6週間くらいでほとんど放出されてしまうと考えられています。

二酸化炭素ガスが放出されると、その後、空気が焙煎コーヒー豆内に入ってきます。この空気とコーヒーオイルが接触すると、焙煎コーヒー豆の酸化が始まります。

焙煎コーヒー豆を粉砕して表面積が増加すると、二酸化炭素ガスの放出スピードが豆の姿の時よりも極端に速くなります。

焙煎コーヒーに含まれる二酸化炭素ガスは、コーヒーを淹れ時に、揮発性芳香成分が吸収or吸着(収着)しているコーヒーオイルをコーヒー中に分散させるのに重要な役割を演じています。

 

【参考】

コーヒーの醸造(コーヒーを淹れる/コーヒーの抽出)の基本は、焙煎コーヒー粉を濡らして、焙煎コーヒー粉から成分を抽出して、その抽出した成分をお湯の中に分散させるという3項目だとされています。

美味しいコーヒーを淹れるための科学、それは簡単な科学理論です。煎りたての新鮮な焙煎コーヒー豆を使って、コーヒーを淹れる時の蒸らしでコーヒー粉が膨らんだなら、風味の良い美味しいコーヒーが出来上がるはずです。