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令和版、コーヒーの基礎知識【第13章】コーヒーの淹れ方

コーヒー生豆を焙煎して、その焙煎したコーヒー豆を粉砕して、コーヒー粉に含まれている成分を水に溶解させて、最終的に、コーヒー粉の残り滓と成分を溶解している水を分離するのがコーヒーを淹れるという作業だと考えています。

コーヒーの淹れ方(醸造方法)は経験的に改良が重ねられていて、これまでに様々な抽出器具が考案されてきました。

現在、最も一般的な方法として定着しているのが、ドリップ式、サイフォン、パーコレーター、エスプレッソ、ウォータードリップ、カフェプレスを使用したコーヒーの淹れ方です。

【目次】

 

この有料記事のダイジェスト版は、年老いた珈琲豆焙煎屋のブログの記事「20世紀版、珈琲読本(13章)コーヒーの淹れ方」でご覧になって頂けます。

 

【1】コーヒーを淹れる(醸造する)

コーヒーを淹れる(醸造する)ためには、焙煎したコーヒー豆を粉に挽く必要があります。 

挽いたコーヒー粉を使ってコーヒーを淹れる(醸造する)方法として、数多くの方法が知られています。 

どの方法でコーヒーを淹れる(醸造する)かについては、風味・香味を優先するか、経済性を優先するかなどなど、色々なことが関係してくるのだと思っています。

 

コーヒーを淹れる(醸造する)には、焙煎コーヒー粉からコーヒー成分を抽出するために、適当な時間、焙煎コーヒー粉と熱水を接触させる必要があります。

その接触させる時間が長くなれば、過剰抽出となってしまって、苦味成分がたくさん抽出されてしまいます。

 

コーヒーを淹れる(醸造する)操作では、最終的にコーヒーの残り滓は取り除かれて、コーヒーの液体(コーヒー抽出液)だけが消費されます。

焙煎コーヒー粉の挽き具合が同じ細挽きであったとしても、色々と異なるコーヒーの淹れ方(醸造の仕方)があります。

 

冷水でコーヒーの風味・香味を抽出したコーヒー、ミルクや砂糖や香料を添加して飲むコーヒー、焙煎コーヒー粉と液体を飲みわけるコーヒーと、いろいろなコーヒーの飲み方が知られています。

淹れたコーヒーの理想的な保温温度は、79度~85度くらいです。

そして、カップコーヒーの理想的な提供温度は、68度~79度くらいだとされています。

 

焙煎したコーヒー豆は、コーヒー会社の焙煎工場で、自家焙煎店や百貨店のコーヒー豆売り場で、あるいは家庭でコーヒーを淹れる(醸造する)直前に、粉に挽いています。

一般に流通している大量生産・大量流通向けの焙煎コーヒー豆(レギュラーコーヒー)は、コーヒー会社の焙煎工場にて粉に挽いてからパッケージ包装されて販売されることもあります。

コーヒー豆自家焙煎店で少量焙煎・少量流通の自家焙煎コーヒー豆を買って来て、コーヒーを淹れる(醸造する)直前に、その自家焙煎コーヒー豆を粉に挽いてコーヒーを淹れる人たちもいます。

 

焙煎コーヒー豆を挽く方法ですが、大雑把に以下の3種類の方法が知られています。

臼歯式のバーグラインダーは、2つの回転研磨面を使ってコーヒー豆を挽く方法です。

プロペラ式のグラインダーは、高速で回転するプロペラでコーヒー豆をカットします。

すり鉢とスリコギを使って、コーヒー豆をすりつぶす方法も存在します。

 

普通にコーヒーを淹れるのに適しているのは、バーグラインダーでコーヒー豆を挽く方法です。

何故なら、バーグラインダーを使うと、挽き具合を調節することができて、挽き具合も比較的均一になるからです。

 

グラインド(挽き具合)のタイプですが、コーヒーの淹れ方(醸造の仕方)によってタイプが異なります。

ターキッシュコーヒー用のグラインド(挽き具合)は、最も細かいグラインド(挽き具合)です。

パーコレーターやフレンチプレス用のグラインド(挽き具合)は、最も粗いグラインド(挽き具合)です。

最も一般的なグラインド(挽き具合)は、その中間で、家庭用のコーヒーやコーヒーマシーンでよく使われているミディアムグラインド(中挽き)です。

 

コーヒーの淹れ方(醸造の仕方)ですが、煮沸・浸漬・圧力を利用する淹れ方が知られています。

ボイリング(煮沸)によるコーヒーの淹れ方は、一番古くから知られているコーヒーの淹れ方です。

 

ターキッシュコーヒー(トルココーヒー)が、その代表です。

ジャズベと呼ばれているブリキのポットにパウダー状にした焙煎コーヒー粉と水を加えて、しばらくの間煮沸(ボイリィング)します。

カップの底にはコーヒーのかすが沈殿していて、表面はアワでおおわれている濃厚なコーヒーがトルコ(ターキッシュ)コーヒーです。

 

パーコレーターや全自動のコーヒーマシーン(orコーヒーメーカー)は、コーヒーを淹れる(醸造する)のに重力の力を利用します。

全自動のコーヒーマシーン(orコーヒーメーカー)は、ペーパー、または、プラスチックか金属に穴をあけたフィルターに保持されているコーヒーの粉に熱い湯をドリップする装置です。

 

熱い湯が焙煎コーヒー粉を通過することで、コーヒーのオイルやエッセンスが湯の中に溶け出してきます。

コーヒーのオイルやエッセンスが溶けている液体は、フィルターを通過して、ポットあるいはサーバーにドリップされます。

焙煎コーヒー粉の残りかす(使用済みの焙煎コーヒー粉)は、フィルターの中に残っています。

 

パーコレーターは、沸騰した湯が、沸騰によって生じた蒸気圧によって、パイプを通って上昇して、焙煎コーヒー粉の入ったフィルターに注がれます。

フィルターにあいているたくさんの穴を通って、コーヒーの液体が下に落ちてきます。

加熱を終了するまで、この動作を何度もくりかえします。

 

フレンチプレスは、プランジャー(orメリオール)とも呼ばれているプレス式のコーヒー抽出器具で、焙煎コーヒー粉を湯に浸漬させてコーヒー成分を抽出します。

フレンチプレスは、ろ過装置を持つフタのついているポットです。

フタの部分(円板型のろ過器とピストン・ハンドルがセットされている)をはずして、円筒のポットにコーヒーの粉と熱湯を注ぎ、2~3分間、そのままにしておきます。

 

ろ過装置を持つフタをポットにしっかりと固定して、ピストン・ハンドルをまっすぐに押し下げます。

焙煎コーヒー粉の残りかすは、ピストン・ハンドルによってポットの底部に押し付けられます。

コーヒーの液体は、ポットから直接、コーヒーカップに注ぎます。

 

フレンチプレスは、フィルターを通さずに焙煎コーヒー粉からお湯にコーヒー成分が直接流出するので、コーヒーの液体には、たくさんのコーヒーオイルが含まれています。

自動のコーヒーメーカーで作ったコーヒーと比べると、相当にたくさんのコーヒーオイルが含まれています。

そして、最初の1分間くらいで、カフェインの95%が溶け出しています。

 

熱く加圧した水蒸気がコーヒーの粉を通過することで、急速にコーヒー成分を抽出するのがエスプレッソコーヒーです。

少量の水を使って約9気圧という高い圧力を利用してコーヒーを淹れるので、抽出液濃度が3~5%という濃縮されたコーヒーが出来上がります。

 

しかし、過剰抽出のコーヒーではなくて、過剰抽出されたコーヒーの持つ嫌味な苦味は存在しません。

エスプレッソコーヒーは、物理的、化学的に、相当複雑な構造を持っているとされています。

理想的なエスプレッソコーヒーは、クレマと呼ばれている赤茶色のアワがコーヒーの表面に浮かんでいます。

エスプレッソコーヒーの他に蒸気圧を使って淹れるコーヒーに、モカポットを使って淹れるコーヒーやサイフォンを使って淹れるコーヒーがあります。

 

水出しコーヒーは、冷たい水を使って、数時間かけて淹れるコーヒーです。

冷たい水で淹れる低温抽出方法で、ゆっくりと時間をかけてコーヒー成分を抽出するので、熱水を使って淹れるコーヒーよりも酸度の少ないコーヒーが出来上がると言われています。

水出しコーヒーには、冷たい水に焙煎コーヒー粉を浸漬・ろ過して淹れる方法と、滴下式でダッチコーヒー( Dutch Coffee)と呼ばれている日本生まれのコーヒーの淹れ方があるのだと思います。

 

(※)有料記事部分の【2】ペーパードリップから【8】フレンチプレスまでと、ほぼ同じ内容のテキスト(少しだけ書き換えています)を、『珈琲物語(第1集)』の「第8章、コーヒーの淹れ方の種類 | コーヒーの抽出方法と抽出器具の種類」に収録しています。

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