インターネットの翻訳機能を使ってコーヒー豆の焙煎を調べていると、最近、ガラス転移という用語によく出会います。
固体(ガラス状態)を加熱すれば、ある温度に達すると柔らかくなる(ゴム状態になる)現象、あるいはゴム状態がガラス状態(固体)になる現象をガラス転移と呼んでいるようです。
食品関係の書籍に登場するガラス転移は、大体が食品のテクスチャーに関係しています。
パリパリやサクサクと言った食感を作り出すのに、ガラス転移という現象を利用しているというのは、何となく理解できます。
しかし、コーヒー豆焙煎中に発生するガラス転移現象については、なかなか理解できません。
コーヒー豆の焙煎において、コーヒー豆に含まれている物質の中で、どの物質のガラス転移がどのような役割を演じているのか理解できていません。
考えてみれば、年老いた珈琲豆焙煎屋は、数年前までガラス転移という現象がどのような現象なのか知らなくて、そのガラス転移がコーヒー豆の焙煎に関係があると知ってからも、ものすごくあやふやな知識しか仕入れてこなかったわけですから、当然です。
そこで、ガラス転移やガラス転移温度(ガラス転移点)について、もう少し丁寧に基礎的な部分から学習したのがこのエントリー記事です。
【目次】
この記事「コーヒー豆焙煎に影響を与えていると言うガラス転移とは」とほぼ同じ内容のテキストを、キンドルでセルフ出版している電子書籍『コーヒー豆自家焙煎談義【第3集】』に収録しています。
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ガラス転移について
物質には、分子などが規則正しく配列している結晶(クリスタル)と、分子などが不規則に配列している非晶質(アモルファス)があります。
非晶質(アモルファス)の固体をガラスといい、煎餅(せんべい)、クッキー、ポテトチップス、乾燥したパスタやソーメンなどはガラス状態になっている固体です。
例えば、乾燥したパスタやソーメンを折り曲げるとポキッと割れますが、このような固体の状態がガラス状態です。(力を加えると割れます)
乾燥したパスタをお湯でゆでると柔軟性が増して行ってグニャと曲がりますが、このような状態がゴム状態(ラバー状態)です。
そして、ガラス状態の物質がゴム状態に、またはゴム状態の物質がガラス状態に変化することをガラス転移と呼んでいます。
物の性格を物性と呼んでいますが、ガラス転移することでその物質の性格が大きく変わってしまうと考えられます。
ちなみに、粘弾性を持つゴム状態(ラバー状態)という状態は、固体と液体の中間の状態だと年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。